ロイヤルコーギー レックスの大冒険 (2019):映画短評
ロイヤルコーギー レックスの大冒険 (2019)ライター2人の平均評価: 2.5
ちょっと大人向け(?)のベルギー産動物アニメ
海外では賛否両論真っ二つに分かれたベルギー発キッズ向け動物アニメ。エリザベス女王の愛犬として甘やかされて育った傲慢なロイヤルコーギーが、ふとしたことからバッキンガム宮殿の外へ放り出され、数々の試練を乗り越えることで成長していく。ノリ的にも作画デザイン的にもイルミネーションの『ペット』シリーズを彷彿とさせる作品なのだが、ゲイのステレオタイプを茶化したり、色情狂の雌犬が出てきたりといった、ちょっと大人向けの際どいジョークが問題視されたようだ。とはいえ、親がちゃんと補足すればキッズでも理解できるレベルだと思うし、なにより普通に面白い。まあ、成金丸出しの下品なトランプ夫妻の描写は怒る人もいるかも…?
可愛いけれど、盛り込み過ぎな感じ
エリザベス女王の愛犬コーギーにアイデアを得た物語には、宮廷内の権力争い(?)やアメリカ大統領&SNS熱愛へのディス、誰からも求められない存在であることの悲しさ、アンチいじめ、婦唱夫随の秘訣といったテーマが多すぎて、盛り込み過ぎな感じ。絵柄はとても可愛いし、妻の愛犬ファーストにうんざりなフィリップ殿下の愛読書が「犬の殺し方」なんてジョークも効いているけれど、監督が本当に伝えたかったことは何? 主人公レックスが王室のトップ犬と知って急に色香を振りまく雌犬(ビッチ)の扱い方、旧態依然とした政略結婚システムをよしとしたエンディングにも疑問が残った。