燃えよスーリヤ!! (2018):映画短評
燃えよスーリヤ!! (2018)ライター2人の平均評価: 3
展開はユーモア主体だがアクションはガチ!
生まれながらに、いっさいの痛みを感じない特異体質の主人公。そんなキャラクターの特徴を活かしつつ、本作はユーモラスなドラマを展開させる。
ブルース・リー作品をはじめとする1970年代カンフー映画ブーム時代の作品に目配せしながら、現代の内向を主人公のナレーションとともに伝える物語は、インド映画ならではのテンコ盛の娯楽味により、独特のアクション映画に。主人公と、彼を取り巻く人々の関わりから醸し出されるトボケた笑いが妙味。
そんなヒネッた作品ではあるが、最大の見どころはやはりカンフー・アクション。ユルくなりかねないドラマを、本格派のそれがビシッと引き締めている点がいい。
「三つ子の魂百まで」という言葉が頭に浮かびました
祖父から与えられたアクション映画ビデオで純粋培養された主人公スーリヤが精神的に幼く、見ていてが心配になるほど。水でエネルギーチャージというのもちょっとバカバカしいが、それこそがこの映画の魅力だ。可愛くてタフな幼なじみとスーリヤの関係にもロマンティックさがなく、インド映画には珍しいかも。ただし主人公たちが繰り広げるアクションに集中できるのは、かなりいい。ふたりとも体を張っていて、潔さを感じる。アクション的にはカンフーだけど、スーリヤをインスパイアしたのが片足のない空手マンの百人組手というあたりがグッときた。ブルース・リーでもジャッキー・チェンでもなく、大山倍達が原点なんだね。