野性の呼び声 (2020):映画短評
野性の呼び声 (2020)ライター3人の平均評価: 3.3
主人公の犬がね、ウィル・フェレルっぽいんです
上流家庭に飼われていた大型犬バックが数奇な犬生を経て、野性を取り戻すまでが2020年風に描写される。ポリティカル・コレクトを意識した部分など、原作と比べると面白いかも。フルCGな『ライオン・キング』的クオリティを期待したが、技術的には劣る。いかにもCG合成な景色のせいで物語に入りこめないことも多々だ。バックが異様なくらいに人間ぽい点は賛否が分かれるはずだが、個人的には犬の豊かな表情やお利口な行動を愛らしく感じたし、「あら、ウィル・フェレルの犬版ね」と納得した次第。極寒のロケ地で本物の犬に過酷な撮影を強いるのはかわいそうだもんね。
『ヒクドラ』監督が描く、わんこ冒険譚
ディズニー傘下になった20世紀スタジオ作品だが、主人公バックが快適なペット生活から一転、郵便配達のソリ犬としてリーダーシップを学び、“一匹の狼”として覚醒する内容に至っては、ディズニーなファミリームービー。ディズニー出身、『ヒックとドラゴン』のクリス・サンダース監督の人選にも納得だ。飼い主が次々変わり、これまでの映画化と異なり、バック視点で物語で展開するなど、『僕のワンダフル』シリーズを意識しているのは明らかだが、わんこ映画特有のモフモフ感も満載! ヤヌス・カミンスキーの撮影にも唸らされるが、「待ってました!」なハリソン・フォードのパートに入ると、急に単調になるのが悔やまれる。
やっと枯れられたハリソン・フォード
ディズニー主催の試写にて。
復活のインディ、ハン・ソロ、デッカードで老いた父親は演じてきたハリソン・フォードがやっと年相応の“枯れた”男を演じた冒険小説の映画化。
もう一方の主人公といえる犬のバックの何とも言えないキャラクターが癖になります。
『ライオン・キング』に続いてのCGアニマルですが、ちゃんとした弱肉強食の描写など、こちらの方がしっくりきます。脇役の演者も含めて見応えと微笑ましさが同居しています。