Daughters (2020):映画短評
Daughters (2020)ライター2人の平均評価: 3
若い世代の”今”を鮮やかに切り取ったお洒落なガールズムービー
同じファッション業界でバリバリと働き、中目黒のお洒落なアパートでルームシェアしながら、お互いに仕事も夜遊びも全力投球な充実した日々を送る2人の女性だが、しかし片方の妊娠が発覚したことで人生を見つめ直し、変化と成長を遂げていくことになる。ファッショナブルでカラフルで洗練された作風や、若い世代の“今”を鮮やかに切り取った時代性など、しばしば日本映画が苦手とする分野をモノにしているという点で非常に頼もしい。ただその一方で、シングルマザーや子育てを取り巻く日本の厳しい現状がすっぽり抜けていることも否めず、女性映画として見るとどうしても物足りなく感じられる。
ファッション雑誌をめくっている気分
イケてる街に住み、仕事も人生も大満足という女性二人の選択がテーマだが、すべてがおしゃれ。主人公たちが身につける服もメイクもインテリアもファッション雑誌から飛び出したかのよう。鮮やかな色彩を使った映像も新鮮だし、台詞回しも自然でいい。ただし未婚で出産という選択に反対意見は出ず、主人公たちが些細な喧嘩をする程度で、丸く収まるあたりは目が点に!? 周囲ももれなく応援ムードなのが今どきなのだろうが、現実の厳しさをもう少し描いてもよかったのでは? 可愛くて、頑張り屋さんなシングルマザーとなる彩乃役の阿部純子と自身を重ねて同じ選択をしたら、「保育所落ちた、日本死ね!」となるのがオチだから。