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ザ・ファブル 殺さない殺し屋 (2021):映画短評

ザ・ファブル 殺さない殺し屋 (2021)

2021年6月18日公開 130分

ザ・ファブル 殺さない殺し屋
(C) 2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.8

くれい響

今度は団地パニック・アクション!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

今回は、原作ファンには“泣けるエピソード”として知られる「宇津帆編」を映画化。とはいえ、前作同様、登場人物があっさり殺害されるなど、淡々とした原作の暴力描写がリアルに再現され、単なるお涙頂戴に終わっていないのが興味深い。そのカギとなるのが、裏では冷酷無比な堤真一演じる宇津帆であり、彼の部下である平手友梨奈演じるヒナコの関係性。相対するファブルこと岡田准一は、今回もジャッキーと化していくが、足場が崩れていく団地パニック・アクションで魅せるインパクトは、もはや神業。そのぶん、修羅場と化すクライマックスが弱いなど、相変わらず2時間越えの長尺がヘヴィに感じる可能性もアリ。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

アクションの見せ方レベルアップ

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

前作、少しもったいなさを感じたアクションの見せ方が今回はしっかりと改善されています。見せるところはしっかりとアップで見せて、緩急の付け方も絶妙です。
今回ファイトコレオグラファーとしてもクレジットされている岡田准一のアクションは、もはや匠の技ですね。
またストーリー面でも幅が拡がり、アクションパートとのメリハリが効いていいました。狙いすました笑いの場面では思わず声が出てしまいました。
今回から登場の堤真一、安藤政信、平手友梨奈の好演も光ります。
まだまだ、見たいシリーズです。

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斉藤 博昭

ハマリ役となった余裕。シリアスさで1作目との鮮やかな鏡像に

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

前作では原作のイメージとのギャップが、観ているうちにどんどん狭まっていく岡田准一の秘技を楽しんだ。今回は冒頭から役との一体感で、余裕&貫禄。演技面で堂々たる自信があるせいか、アクションではさらなる地平をめざす過激さへ振り切っており、続編としての役割をきっちりこなした快作。団地での攻防は全盛期の香港アクション映画のような荒唐無稽さに、最低限のリアリティを加味し、素直にアドレナリンが上がる名シークエンスとなった。新たに加わった悪役たち、ヒロインも、いい意味での安定感。原作の中でもハードなエピソードの忠実な再現だが、『ザ・ファブル』全体のイメージ的に、もうちょいユーモア、軽さがあっても良かったかも。

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中山 治美

”続編の方が良い映画”の仲間入り決定

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

ヒット作の続編には賛否が付き物だが、本作は間違いなく賛の方。岡田准一のアクションがウリの本作で、前作はほぼ屋内で展開されてダイナミックさに欠け、おまけに早い動きに映像が対応しきれておらず不完全燃焼極まりなかったが、その両方を見事に改善。しかもアクションは規模が敵わないにも関わらずハリウッドの模倣をしがちだが、今回の団地や建物の隙間という日本特有の住環境を生かしたバトルはまさに日本オリジナル。本作と「るろうに剣心」シリーズが同時期に生まれたことに、日本のエンタメ映画の新たな夜明けをも感じさせてくれる。物語も、原作の黒い部分をギリギリまで取り込んでおり、特に平手友梨奈の俳優としての覚悟を感じた。

この短評にはネタバレを含んでいます
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