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ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢 (2020):映画短評

ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢 (2020)

2020年12月11日公開 114分

ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢
(C) 2020 Focus Features, LLC. All Rights Reserved (C) 2020 UNIVERSAL STUDIOS

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

森 直人

ある種の「バディもの」としても楽しめる

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

音楽業界で働く若い付き人のマギー(ダコタ・ジョンソン)が、鋼のプロであるグレース(ダイアナ・ロスの娘トレイシー・エリス・ロス)との交流の中で鍛えられていく。この辺が『プラダと着た悪魔』と比較されているが、ただグレースも過去の人になりつつある屈辱と葛藤しており、そこにマギーが音楽本来の歓びや初心を無邪気&無鉄砲に突きつけてくる――その柔らかな相互関係こそがキモ。

マギーは60~70年代のオールドスクールな生音愛好家。本当は音楽プロデューサー志望の彼女が、独自に動くお話のラインで登場するのが『ルース・エドガー』や『WAVES』のケルヴィン・ハリソン・Jr.。彼には今年の新鋭男優賞を差し上げたい!

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

お母さんの当たり役を思い出す、ダコタ・ジョンソンの生きる道

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

上司のために地道に働きつつ、自分の野心を密かに育み、大逆転をめざす。ダコタ・ジョンソンの主人公がたどる運命は、母親のメラニー・グリフィスの大出世作『ワーキング・ガール』と重なって感慨深い。今回のダコタの場合は恋愛要素も少なく、ジェンダーに関係なく共感できるポイントを発見できるのが、2020年の映画っぽいかも。
上司にあたるのも大スターの娘、T・E・ロスだが、こちらも母のカリスマ性とは無縁で、妙に庶民的なのが好印象であり、物足りなかったりも。
お仕事苦闘ドラマが唐突に、どこへ感情を持っていっていいか目まいがする結末に陥るのも、ワーキングタイトル作品らしい「能天気さ」として寛容に受け入れられる。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

“音楽業界版『プラダを着た悪魔』”のはずが……!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『イエスタデイ』に続く、いかにもワーキング・タイトルな音楽映画ではある。ダコタ・ジョンソン演じるアーティスト志向強めの『ピッチ・パーフェクト』感あるヒロインに、あのダイアナ・ロスを母に持つトレイシー・エリス・ロスの妙に貫禄ある芝居が説得力を生む歌姫。2人が織りなすサクセスストーリーがノリのいいオリジナル楽曲に彩られ、“音楽業界版『プラダを着た悪魔』”な趣だ。そんななか、中途半端に才能あるミュージシャンの描写からいろいろと狂い始め、「マジか!」と突っ込んでしまうオチで幕を閉じる。まるで中学生が書いたような脚本(デビュー作)が「ブラックリスト」対象だったことに驚かされる。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

少女漫画的な展開だけど、目指す職業が今どきかな

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

大物歌手グレースのアシスタントとして、24/7で雑用に追われるマギーの夢を描く少女漫画のような展開。ダコタ・ジョンソンがヒロインなので歌手を目指すかと思ったら、音楽プロデューサーを目指す音楽オタクという設定が今どきかも。マギーの情熱が立場ゆえに失敗できないグレースのやる気とワケありな天才シンガー青年のハートに火をつける展開も読めるので、もう少し演出を捻って欲しかった。ただし驚くべきは、業界内外で注目される俳優K・ハリソンJr.の歌唱力。男性ではなかなか難しいハイトーンボイスに度肝を抜かれた。グレースを演じるT・E・ロスともどもヒロイン以上の存在感を発揮する。

この短評にはネタバレを含んでいます
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