映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット (2021):映画短評
映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット (2021)ライター3人の平均評価: 4
悪ノリもプラスに働く、濃厚サスペンス
「ワイルドスピード森川」によるサイコロ立てや、「レミゼ」から「アラジン」と化すミュージカルシーンなど、英勉監督による悪ノリがよりプラスに働いた「劇場版」第2弾。とはいえ、全体のトーンとしては前作より控えめ。無敵のヒロインであるはずの夢子のほか、生徒会の面々がどんどん追い詰められ、ガチで生死を賭けたギャンブルに突入する展開など、サスペンス色が濃厚になっている。藤井流星演じる視鬼神真玄がジョーカー的ヴィランを怪演し、引っかき回す様も面白いが、うるさいモブキャラが定着した鈴井の男としての成長っぷり、賭場シーンでとんでもないことになるサプライズゲストにも注目したいところ!
作った関係者に感謝!? 抑制が活きた第2章
またもハイテンションで来るかと思いきや、前作よりも抑えてきた。ともすれば過度な騒がしさがドラマの進行を妨げていた前作に比べて、タイトに締まったのは嬉しい誤算。
藤井流星ふんするヴィランを、トコトン憎むべきヴィランに設定したことで邪悪な空気感は高まり、それをいかに打倒するかという方向に物語は集中する。浜辺美波も抑えた演技でヒロインの凄みを見せつけて、映画のトーンと一体になった。
人気作の続編ということもあり、それなりの規模の作品ではあるが、これがパンデミック下で撮影されたことに驚く。こういうエンタメが、今も現在進行で作られることの意義。それについても考えさせられた。
狂喜乱舞、再び
前作から2年。当時でも充分売れっ子だったレギュラーメンバーが一人も欠けずに登場するだけでも、お見事と言いたくなりますが、そのキャスト陣が変わらぬ、というかさらに熱量のこもった狂演を見せてくれます。
通常運転の時のことを考えると、あまりにもぶっ飛んだキャラクター演技なので軽い営業妨害なのではという余計な心配までしてしまいます。
そんなレギュラーメンバーを向こうに回して、本作で初登場の藤井流星の大健闘も記憶に残ります。
が、結果として浜辺美波のコメディエンヌとしての才能と、池田エライザのカリスマ性がより際立って感じることができる映画でした。早くも第3弾への期待が高まります。