ボブという名の猫2 幸せのギフト (2020):映画短評
ボブという名の猫2 幸せのギフト (2020)ライター2人の平均評価: 3.5
小さなことが心を温めてくれる
前作では猫も主人公も極限状態に陥ったが、今回は彼らがそこから抜け出した後の続編。なので、大きな事件ではなく、小さなエピソードがたっぷり描かれるのが魅力。猫が体調不良になってしまったり、青年が同業者を誤解してしまったり。街頭で弾き語りをしながら生活する青年が、猫と一緒に暮らしていると、さまざまな小さな事件が起き、それによって人々のささやかだが温かな思いやりの気持ちに気づかされていく。大きなものがドンとあるのではなく、小さなものがあちこちにたくさんあって、それが心を温めてくれる。クリスマス時期なので、青年が猫を肩に乗せて街を歩くと随所に英国らしいクリスマス装飾があり、その光景も心和ませてくれる。
最高にクールな猫ボブへの愛に満ちている
チャールス・マーティン・スミスは「イルカと少年」「ベラのワンダフル・ホーム」などの監督。「この顔、超可愛い!」と思えるショットをたくさん入れているのは、さすが動物好きならでは。一応“悪者”もいるけれども、クリスマス映画なので、家族みんなで楽しく見られるハッピーな作品になっている。最後には、昨年亡くなってしまったリアルなボブへの追悼もあり、じーんとさせられた。しかし、あんなふうに肩に猫を乗せて外を歩けるなんて羨ましいかぎり。それに映画で自分自身を演じられる猫は果たして世の中にどれだけいるだろうか。映画自体はごく普通ながら、ボブがとにかく可愛いので星ひとつおまけ。