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グリーンランド -地球最後の2日間- (2020):映画短評

グリーンランド -地球最後の2日間- (2020)

2021年6月4日公開 119分

グリーンランド -地球最後の2日間-
(C) 2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

なかざわひでゆき

ジャンルのツボはしっかりと押さえた災害パニック大作

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 彗星の衝突による地球滅亡の危機が刻々と迫る中、軍の地下シェルターが存在するというグリーンランドを目指す平凡な家族の過酷な旅路が描かれる。『アルマゲドン』や『ディープ・インパクト』の系譜に連なる王道的なディザスター映画で、これといって特筆すべきは見当たらないものの、「世界が未曽有の危機に陥った時、いかにして愛する人を守るのか?」というテーマは、コロナ禍の今見ると考えさせられるものもあるかもしれない。極限状態で露呈する人間の醜さや怖さもなかなかリアル。日本のスクリーンでは久々となるスコット・グレンの登場も嬉しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

政府による命の選択の基準が謎すぎる

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

危機が迫るなか建築家が妻子を守るために頑張る展開にさほど新鮮味はないが、家族の重要性を訴えたい製作側の意向はわかる。主人公一家に次々とトラブルを与えて、緊張感を高める演出は悪くはない。ディザスター映画なので都合が良すぎる点を突っ込んでも仕方ないのだけど、主人公の重要性がいまいち伝わらないのが難点だ。冒頭の職場からは、彼が国家の再建に必要とは思えない。G・バトラーが演じているせいもあるが、もしかしたら伝説的な元特殊部隊員なのかもと思ってしまった。パンデミックで「命の選択」が他人事ではなくなった今、選択の基準に関しては納得させて欲しかった。

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斉藤 博昭

世界的パニックに「特別扱い」の家族も映画的に納得させる離れ技

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

世界規模パニック映画は、主人公の家族ドラマに集中した場合、なぜ彼らだけ生き残るのか、「選ばれた」感が鼻につくリスクも抱える。本作は、そこをギリギリ持ちこたえ、納得させる。そもそも最初から「選ばれた家族」だが、息子の病気もカギとなり、そこから次々難題が降り注ぐので、観ているこちらも余計なことを考えてる余裕がなくなっていく。終始、パニック映画の妙味を満喫させるサービス精神は一級品。セリフにもあるが「後先を何も考えず、とにかく生きる」というテーマが貫かれているのだ。各地への隕石落下、そして地上の惨劇のビジュアルは、この手の映画として可もなく不可もなく。毎度おなじみ、G・バトラーの強引さも常識の範囲。

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猿渡 由紀

緊張感たっぷり。いろんなことが次々起こる

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

すい星や巨大いん石が地球に向かってくるという設定は前にもあったが、今作では1個でなく、小さなものがバラバラと次々にやってくる。おかげで、「その瞬間」が来るのをじっと待っているのではなく、最初から最後までひたすら何かが起こり続けるのだ。また、この手の映画では、通常、女性は主人公の男性の陰に隠れがちなのに対し、妻にも同じだけの時間とドラマが与えられているのもいい。みんなが生きるか死ぬかの状況で必死になる中、人間の悪い部分だけでなく、時には美しい人助けの精神を目にできるのも、現実的だし希望を与えてくれる。ハイペースで緊張感あふれる娯楽作。

この短評にはネタバレを含んでいます
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