ボディ・リメンバー (2020):映画短評
ボディ・リメンバー (2020)深みのあるファムファタール・ストーリー
若い作家の視点をとおして語られるファムファタールのストーリーだが、その裏側には人と人が関わるときの避けられない現実が見えてくる。
魔性のヒロインは何かを求めているが、それが何かわからず、ミステリアスなキャラを成立させる。一方で、作家は彼女に心を動かされ、その恋人は満たされず、他方にはヒロインをめぐる男たちの葛藤がある。
他人を完全に理解することは可能か? 愛する者をどこまで理解しているのか? そもそもすべてを理解する必要があるの? 見る者の胸をかき乱すという点でエッジの効いたドラマ。演劇界で活躍する役者陣の生々しい“顔”が、そこに説得力を宿らせる。
この短評にはネタバレを含んでいます