スペース・プレイヤーズ (2021):映画短評
スペース・プレイヤーズ (2021)ライター3人の平均評価: 3.3
とにかくにぎやか、きらびやか
バックス・バニーとNBAスーパースターの共演というと、思い出される『スペース・ジャム』。四半世紀を経てのその続編はデジタル技術の進化により、きらびやかになった感がある。
舞台は21世紀らしくサイバー空間で、アドベンチャーの舞台としては面白い。レブロン・ジェームズの表情に富んだ妙演も活き、アニメキャラと並んでも違和感がない。
肝心のクライマックス、バスケットのゲームがルール逸脱によって緊張感を削ぐが、父子の絆に主軸に置かれているとおり、肝はファミリードラマ。スクリーンの隅々に配置されたワーナー映画のキャラを発見する喜びを含めて、きらびやかさを屈託なく楽しむのが吉。
進化して帰ってきた『スペース・ジャム』続編!
マイケル・ジョーダンに代わってレブロン・ジェームズを起用した『スペース・ジャム』の続編…というよりも、これはリブートと呼んだ方が良かろう。俺の息子だからバスケ選手になりたいに違いない!いや、絶対にそのはずだ!と勝手に思い込み、ゲーム・クリエイターを目指す我が子の夢に全く気付かない自己中なNBAキングが、迷い込んだ仮想空間で息子の作ったeスポーツで戦わねばならなくなる。しかも対戦相手は息子。そんな彼を助けるのが3Dアニメに進化したルーニー・テューンズの人気キャラたちだ。『カサブランカ』からDCユニバースまで新旧の映画パロディも満載。どちらかというと大人が童心に帰って楽しむ映画という印象だ。
大観衆の隅々まで気になる? レブロンの演技もナイス
これまでも本人役や声優の経験豊富なので、主役を背負って立つレブロン・ジェームズは、初期のロック様を思わせる初々しさも含めて、愛すべき好演。
とにかく全編、怒涛のビジュアル攻撃。ルーニー・テューンズ的スピーディな転換、カラフルさとともに繰り出され、考えるヒマも与えず突き進んでいく。
メインの見せ場であるバーチャルワールドでのe-スポーツ(バスケ)対決は、はっきり言って「何でもアリ」で飽きるが、周囲の大観衆にワーナー作品を中心に映画キャラが無数状態。ゲームの行方そっちのけで、奥の奥までレアな何かを発見する楽しみがある。ライトな映画ファン向けのネタも宝庫で、中盤の特別出演には本気で爆笑した。