ADVERTISEMENT
どなたでもご覧になれます

先生、私の隣に座っていただけませんか? (2021):映画短評

先生、私の隣に座っていただけませんか? (2021)

2021年9月10日公開 119分

先生、私の隣に座っていただけませんか?
(C) 2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.8

なかざわひでゆき

男性と女性で見方が変わるユニークな不倫復讐劇

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 不倫をテーマに新作を描き始めた人気漫画家のヒロインと、その原稿を読んで自分の不倫がバレたのではないかと気が気ではない夫。漫画のストーリーと現実の出来事を巧みに交錯させ、だんだんとその境界線を曖昧にしていくことで、女性の愛情と献身に胡坐をかいた身勝手な男の愚かさとズルさが浮き彫りにされていく。いわば、得意の想像力を武器に変えた妻のささやかな復讐劇。どこまでが真実で、どこからがフィクションなのかをハッキリさせず、クライマックスを含めて観客の想像に委ねていく語り口がなかなか面白い。恐らく男性と女性では解釈の異なる部分も多いはず。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

不倫された妻の闇を黒木華がユーモラスに怪演

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

柔和なお嬢様風だけれど、心の奥に底無し沼を抱えていそうな役柄を上手にこなす黒木華の魅力全開。人気漫画家の佐和子が夫の浮気に気付かないフリをする冒頭から復讐劇の予感はするが、単純な展開ではない。複雑怪奇なヒロインの心理を丹念に書き込んだ脚本と妄想めいた演出がうまい! 不倫をテーマにした漫画を使って夫にメッセージを送り、じわじわ責め立てる妻を恐ろしいと考えるか、愉快と受け取るか? 浮気に対する寛容度で違うだろうが、夫だけではなく観客も煙に巻く佐和子の面倒臭い言動はユーモラスでもある。不倫相手の素っ頓狂さがまた面白く、柄本佑が演じるクズ夫が翻弄されっぱなしなのがいい。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ライトなコメディとして描かれる妻の復讐劇

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

“不倫夫に対して、妻がマンガを通じて復讐する”という、いかにもTSUTAYA CREATORS' PROGRAM受賞作らしいサスペンス・タッチな設定に加え、かなり意味深なタイトル。それだけ、ツカミは巧く、ライトなコメディとして、男のズル賢さや女の怖さについても描いているのだが、これだけの話を119分かけて淡々と描くのは、ちょっとムリがあった感アリ。黒木華と柄本佑の共演作だけに、芝居については問題ないのだが、夫もマンガで交戦するなど、脚本的に、もうひと捻り欲しかったところ。柄本佑もひたすらオロオロしつつ、妻のストーカーになるだけでは、使い方としてももったいない。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

恋愛サスペンスの傑作誕生

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

ブラックラブコメディだと思って見ていたら、最後は背筋がゾクゾクするようなサスペンスで終わった。
虚構と現実を行ったり来たりする作劇は最後までワクワクし続け、こうなるのか!?唸るラストでした。何といっても黒木華が最高に怖くて、魅力的。いざとなると何の頼りにもならないという男の一面をそのまま体現したような柄本佑をいいように翻弄します。徹頭徹尾、穏やかな表情なのがとっても怖い。
最小限に絞られた脇の面々も効果的に作用しています。
最後に、この映画もTSUTAYA CREATORS' PROGRAM作品。品質保証ブランドになりつつありますね。

この短評にはネタバレを含んでいます
ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT