ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 (2022):映画短評
ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 (2022)ライター3人の平均評価: 4.3
タイトルが示すこと
ハリポタシリーズを途中で脱落しながらもこのシリーズに戻ってきたという経験のある中での待望の第3弾。今回もとても楽しめました。
サブタイトルの通り”ダンブルドア”が主役と言っていい立ち位置です。
魔法ワールドの色合いがさらに強くなりハリポタの世界観とのつながりも感じられるのでシリーズを追いかけてきた人たちにはサービスショットの連発と言えるのではないでしょうか?
そして、今回から登場のマッツ・ミケルセンですが、抜群のカリスマ性で全く違和感を感じさせずに映画を支配しています。主役のエディ・レッドメインを含めていよいよ世界観に役者が馴染んできたなという感じです。
今回も魔法動物たちのマイペースぶりは変わらない
『ハリー・ポッター』はグリフィンドールの物語だが、『ファンタスティック・ビースト』はハッフルパフの物語。周囲からは取るに足らない存在だと思われている生き物や人物が、実は大きな働きをすることがある、というのがこのシリーズの根幹。そこは今回もきっちり守られている。
そして、魔法界全体を揺るがす大きな騒乱の中でも、ニュートの仲良しの魔法生物、ニフラーやボウトラックルは、マイペースぶりもキュートさも不変。シリーズも3回目を迎え、ニュートの変なポーズ、ニフラーのスローモーションなど定番ネタも確立。エズラ・ミラー演じるクリーデンスが、スネイプ先生に似てきたように見えるのは気のせい?
ハリポタから見守り続け、ここまで恍惚の後味に浸れる幸せ
この3作目に多くの人が期待するのは、①新たな魔法動物のデザインや役割、②マッツのグリンデンバルド、③「ハリー・ポッター」シリーズとの繋がり、だと思うが①はマニア心くすぐる気味悪さも含めてインパクト絶大。②はジョニーの幻に振り回されない実直なアプローチに感心。③も「これ見よがし」ではないのに細部で発見がある、要するにオールクリア。
前半こそゆったりペースだが、魔法界リーダー選挙戦は、意図せず現代の世界と重なる部分に戦慄を感じたし、ヒーローの役割も巧妙。ある人物の思いが深く沁みわたるラストは、個人的に「炎のゴブレット」の青春ノスタルジー幕切れに比肩する後味。これほどの感動は正直、予期しなかった。