ハウ (2022):映画短評
ハウ (2022)ライター2人の平均評価: 3
犬は犬らしくそこにいるだけなのだが
離れ離れになってしまった犬と飼い主が再会する話なのかと思うと、それだけではなく、犬は犬らしくそこにいるだけなのだが、犬とすれ違った人間たちが犬にさまざまな意味を見出してしまう、そんな話にも見えてくる。そうした物語に相応しく、大型の長毛種の犬は、場面によって表情が違い、ひたすらモフモフで柔らかな何かにも見えるかと思えば、まるですべてを達観した賢者のようにも見える。
犬と、たまたま出会った人間たちとのさまざまな光景が描かれるが、印象的なのは、世界に心を閉ざした少女が、犬の柔らかさに何かを溶かされて踊り出すシーン。緑の葉を通過する光、その中で踊る犬と少女が美しい。
このわんこ見つけてきた人に100点
動物が絡むロードムービーという、ベタな設定ではありますが、それでも楽しんでしまう一本。
最大の功労者(功労犬?)はタイトルロールのハウ役のベックでしょう。
よくぞこのわんこを見つけてきました。この時点でこの映画はある程度成功したと言ってよかったのではないでしょうか?絶妙な表情と独特な鳴き声はとても印象に残ります。
人間との絡みも不自然さはあまり気にならないのはベックと俳優側の両方の努力の賜物でしょう。
ちょっと珍しい”普通のキャラのヒロイン”を演じた池田エライザも新鮮でした。