ぼくらのよあけ (2022):映画短評
ぼくらのよあけ (2022)声優としての新境地を開いた杉咲花
AI搭載型ロボットが一般家庭にも普及した西暦2049年。取り壊し寸前の古い団地に住む少年少女が、故障のため27年間も地球で休眠していた異星からの無人探査機を発見し、周囲の大人に気付かれぬよう秘密裏に無人探査機を故郷へ帰そうと奔走する。レトロとハイテクが混在した近未来像はなかなかリアルで、『E.T.』を下敷きにしたような設定もどこか懐かしさを覚えるものの、ストーリー展開そのものは予定調和の域を出るものではなく、全体的にライトなキッズ向けSFアドベンチャーという印象。ただ、主人公の少年を演じる杉咲花の溌溂とした芝居は嬉しい驚きで、声優としての幅広い才能を感じさせてくれる。
この短評にはネタバレを含んでいます