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あなたがここにいてほしい (2021):映画短評

あなたがここにいてほしい (2021)

2022年7月22日公開 105分

あなたがここにいてほしい

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

なかざわひでゆき

甘ったるい恋愛映画かと思ったら大間違い!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 高校時代に知り合った男女の10年に渡る愛の軌跡を描いた中国映画だが、これが意外にもハードでシビアな社会派メロドラマに仕上がっている。やはりキーとなるのは、’00年代~’10年代にかけての時代背景であろう。中国社会が急速な経済成長を遂げる一方、人々が物質的な豊かさを求めて拝金主義が蔓延した時代。日常の様々な場面で不正が横行し、人間の価値が地位や収入だけで決めつけられ、競争の激化で人々は互いの足を引っ張り合う。ささやかな幸せを求める恋人たちは、そうした社会の歪みに否応なく運命を翻弄され、ズタズタに傷つけられ引き裂かれていくのだ。お涙頂戴の甘ったるい恋愛映画かと思ったら大間違いである。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

カレン・モクの主題歌とリンクするセカイ

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

近年の中国映画において、決して珍しくはない“十年愛”モノ。ネット小説原作だけに、あまりに不器用すぎる主人公と可憐なヒロインの関係性は、『あの頃、君を追いかけた』などの影響がみられる。また、ヒロインの幼馴染として現れるライバルの存在など、あまりにベタすぎる気も……。リアルな結婚問題を扱っているのは分かるが、主人公のマイホームに対するこだわりは、日本の若者との温度差がアリアリ。同業者の不正や親友の裏切りなど、胸クソ悪い展開を経て、物語は意外な方向に向かうが、カレン・モクが歌う主題歌とリンクする世界観にカタルシスを感じるかどうか。それにより、総合的な評価は変わるはず。

この短評にはネタバレを含んでいます
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