クレイジークルーズ (2023):映画短評
クレイジークルーズ (2023)坂元裕二の“大人向けロマンティックコメディ”は不発
熱狂的なファンを持つ脚本家・坂元裕二の最新作。豪華クルーズ船を舞台に、人の良いバトラー・吉沢亮と恋人の浮気相手を追いかけてきた女性(宮崎あおい)が船内での殺人事件を追う。“大人向けの洒落たロマンティックコメディ”を目指したというが、ときめきも笑いも坂元が得意なはずの本質を突いた洒脱な会話も不発。殺人のトリックも場当たり的なもので、富裕層への皮肉な視点もない(そもそも白人と日本人ばかりの豪華客船って不自然では?)。ゴージャスな気分からほど遠いチープな映像も残念。坂元とNetflixが5年間に及ぶ新作独占配信契約を結んだ第1作として注目を集めていたが、長期航海の船出としては心配な仕上がりだった。
この短評にはネタバレを含んでいます