ほどけそうな、息 (2022):映画短評
ほどけそうな、息 (2022)小野花梨の演技が凄まじい
傷ついた児童に接するだけでなく、知らずうちに加害者になってしまった親を調査し、対峙するなど、想像していたもの以上に過酷な児童相談所職員(児童福祉司)の仕事。小野花梨が演じるのは社会人2年目、同じお仕事映画でもある『ハケンアニメ』で演じた天才原画マンにも通じるフツウの女子・カスミである。綿密なリサーチを重ねた小澤雅人監督による丁寧な演出もさることながら、日常生活も犠牲にしたヒロインの苦悩と葛藤をリアルに表現した小野の演技がとにかく凄まじい(冒頭とラストの息遣いの違いにも注目!)。カスミ以外のキャラ描写も奥深く、44分の短編ながら、長編を観たような濃厚な一本といえる。
この短評にはネタバレを含んでいます