サマリタン (2022):映画短評
サマリタン (2022)ライター2人の平均評価: 3
既視感はあるがそれなりに楽しめる
コミックブックを原作としないスーパーヒーロー映画。しかし、あちこちに既視感があり、“オリジナル”という言葉を使うのは適切とは言えない。ひっそりと引退生活を送っていたのにまた呼び戻されることになるスタローンの姿は「ランボー ラスト・ブラッド」や「クリード チャンプを継ぐ男」の彼を思わせるし、ピルウ・アスベック演じる悪者が人々を前に演説するところは「ダークナイト ライジング」のベインのシーンのようだ。それでも、スタローンは76歳にしてあいかわらず大暴れし、彼らしいユーモアも持ち込んでいる。彼と子役のジャヴォン・“ワナ”・ウォルトンの相性も良いおかげで、それなりに楽しんで見られる。
突撃!隣のスタローン
「ナメてた相手が、じつは伝説のスーパーヒーローだった!」な話ではあるが、そんな隣の老人をスタローンが演じていることで、キャラの深みが倍増。ゴッサム・シティならぬグラニット・シティで、母と暮らす主人公の少年との交流や哀愁を帯びた背中が泣かせることもあり、“スライ版『ベスト・キッド』もしくは『グラン・トリノ』”といった趣だ。アクションや決め台詞といった見せ場もしっかり用意されており、『オーヴァーロード』のジュリアス・エイヴァリー監督らしい職人技も堪能。ちなみに、サマリタンのルックが『ジャッジ・ドレッド』ぽいうえ、『T2』な展開もあることから、玄田哲章による日本語吹替版もおススメ!