青春弑恋 (2021):映画短評
青春弑恋 (2021)SNS時代の『恐怖分子』
東京国際映画祭上映時の英題『テロライザーズ』だけではなく、台北で暮らす若者の姿をラブストーリーかつサスペンスタッチで捉えた群像劇だけに、明らかに“2021年版『恐怖分子(英題:The Terrorizers)』”を意識した一作。冒頭の通り魔事件に繋がるパズルのような構成や独特な空気感など、「台湾ニューシネマをあえてSNS時代に撮ってみました」なホー・ウィディン監督の意気込みは買いたいし、リン・ボーホンやヤオ・アイニンらのキャストは魅力的だが、いかんせん演出不足もあってか、肝心な登場人物の不条理や孤独が伝わってこない。それでいて、上映時間127分はあまりに長尺だったりと、いろいろもったいない。
この短評にはネタバレを含んでいます