ピーターと魔法の象 (2023):映画短評
ピーターと魔法の象 (2023)重い現実に打ち勝つには、夢と希望と信じる力が必要だ
舞台は魔法が存在するファンタジックな国。だけど、戦争が起こって魔法は失われ、空には雲がたちこめるように。重い現実に打ち勝つには、夢と希望と信じる力が必要だと教えてくれる、優れたジュブナイル作品。3DCGアニメにありがちな派手なバトルなどはないので、やや地味な展開だと感じるかもしれないが、主人公の少年をはじめとする人々の他者を思う善意が折り重なり、やがて戦争によるPTSDを抱えた老人や不妊で悩む女性など、凍てついていた人々の心を溶かしていくストーリーに胸打たれる。原作は2009年に書かれた児童向け小説だが、現在の世界の状況にもあてはまるよう。親子で観るときは、そんなことを話し合ってもいいかも。
この短評にはネタバレを含んでいます