ガッデム 阿修羅 (2022):映画短評
ガッデム 阿修羅 (2022)ボタンの掛け違いで、運命は一変する
バイオレンス・アクションを連想させるタイトルだが、パズルのような構成で冒頭の無差別事件に繋がる6人の男女の群像劇を描く。そういう意味では、『青春弑恋』と同じ“SNS時代の『恐怖分子』”だが、こちらは全3幕なのがミソ。事件後のそれぞれの日常を描いた2幕目に続く、第3幕では「if もしも」なパラレルワールド展開に突入。主人公が描く漫画の世界とシンクロしつつ、ボタンの掛け違いから、「いつ加害者が被害者に、被害者が加害者になりかねない状況」はサスペンスタッチで興味深い。とはいえ、監督の演出不足もあり、モー・ズーイーら、芸達者が顔を揃えながら冗長に感じるのも『青春弑恋』と同じ。
この短評にはネタバレを含んでいます