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シアター・キャンプ (2023):映画短評

シアター・キャンプ (2023)

2023年10月6日公開 92分

シアター・キャンプ
(C) 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.8

猿渡 由紀

感動させた後もまた笑わせる楽しさいっぱいの作品

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

舞台劇への愛に満ちつつ、そのコミュニティをちょっと皮肉ることもする、絶妙なトーンと独創性に満ちたコメディ。それぞれのキャラクターがとてもしっかり書かれていて、演じている役者たちが楽しんでいるのが伝わってくる。そんな中にも、自らの経験があってこそ生まれた洞察力とリアリティがあるのだ。そして子供たちがすばらしい。オーディションのシーンから最後の劇中劇のシーンまで、子供たちの歌唱力、ダンス、パフォーマンスにすっかり見入ってしまった。サンダンス映画祭でアンサンブルキャスト賞を受賞したのも納得。最後に強く感動させた後にもまた笑わせるのが心憎い。楽しくて心温まる作品。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

子どもも大人もキャンプで育つ

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 フェイクドキュメンタリー形式でコメディを組み立てつつ、群像ドラマを成立させる。簡単そうで意外に難しい、そんな挑戦に取り組んだ本作。

 まず、キャンプに集う子どもたちの表情がイイ。大人たちの事情もつゆ知らず、ミュージカルの上演に打ち込みつつも、ふと気の抜けたところを見せるのがチャームポイント。キャンプのスタッフら大人たちも、ある意味、子どもっぽくて、それぞれにイイ味を出している。

 『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のスタッフが多数関わっていることもあり、同作のようなリアリズムや手作り感がにじむ。低予算だが愛すべき逸品。

この短評にはネタバレを含んでいます
ミルクマン斉藤

愛情に溢れたほんわかミュージカル劇。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

全編ドキュメンタリー・タッチ…つまりモキュメンタリーとして撮られた子供たち夏休み演劇合宿のドタバタ劇。でも大袈裟になりすぎもせず、いかにもありそうなリアルな筋立てなのが本作の美点だ。物語は参加者用に書かれた新作『ジョーンのままで』(ジョーンは入院してしまった創業者)の話に集約していくが、そのミュージカルを作っていく作曲やキャスティングの過程が毒味もほどほどで楽しい。学園長の後継者として名指しされた根っからのビジネスマン、トロイなど、昔なら製作ウィル・フェレルが演じてもいいような役だ。しかし造りとして目新しいところはないが(例えば『ピッチ・パーフェクト』)、ミュージカル好きなら楽しめること必至。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

最後は本気でテンション上がる、ミュージカル好きには最強の一本

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

舞台を愛する人、特にミュージカル好きなら、サマーキャンプに参加する子供たちの目線でテンション上がり、一方で教師たちのプライドや現実の悩みがツボとなり、終始「あるある」ネタに没入してしまう快作。ダンスや歌はもちろん、衣装や、裏方スタッフ、さらにエージェントの仕事までを時に楽しく、時に真剣に学ぶ様子から「アメリカのショウビジネス、やっぱレベル違う!」と実感。

キャンプの経営問題が予定不調和なノイズとなって、物語が転がっていくのは映画的。
モキュメンタリーのスタイルは、やや全体を雑然とさせるものの、溜まったマグマが噴出するようなクライマックスに、本能から感動してしまう人、多数のはず。不覚にも号泣!

この短評にはネタバレを含んでいます
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