エクスペンダブルズ ニューブラッド (2023):映画短評
エクスペンダブルズ ニューブラッド (2023)ライター4人の平均評価: 3
80年代の正月映画のような外連味マシマシ
シネパトスやホクテンザでおなじみのB級アクションを製作した「ミレニアム・フィルムズ」のお祭り映画として始まったシリーズだが、さすがに4作目となると、いろいろネタ切れ感強し。その最たる例がボス役のイコ・ウワイスの小者感だが(最初の候補はジャック・ニコルソン!)、前作から10年のあいだに、中国レコングループに買収されたこともあり、かなり配信重視な仕上がりになったのは否めない。『プロジェクトX-トラクション』のスコット・ウォー監督とは思えない粗い演出や「誰特なん?」な謎すぎる脚本など、ツッコミどころの連続だが、それがより『キャノンボール』など、80年代の正月映画のような外連味を醸し出す結果となった。
アジア発アクション・スターの活躍が目立つシリーズ第4弾
「新旧アクション映画スターの豪華共演」で人気を博してきた『エクスペンダブルズ』シリーズだが、今回の第4弾はその顔ぶれがだいぶ寂しくなったという印象。ストーリーは初めからあってないようなものとはいえ、こちらも明らかにスケールが小ぢんまりしている。さながら『デルタフォース』に対する『デルタフォース2』、もしくはアガサ・クリスティ・シリーズにおける『サファリ殺人事件』みたいな位置づけか。そんな中でトニー・ジャーにイコ・ウワイスと、アジア発のアクション映画スターの活躍が嬉しい。もし第5弾があるのなら、ミシェル・ヨーとかドニー・イェンとかマ・ドンソク辺りも揃えたアジア版エクスペンダブルズを期待したい。
筋肉フェス、若返りつつ復活!
約10年ぶりの筋肉祭が繰り広げられるシリーズ第4作。ここまで景気よくアクションが連打されると、それだけで嬉しくなってくる。
例によって、空から陸へとスペクタクルの舞台を変え、銃撃もガチファイトも乱打する華やかさ。以前から言われていたスタローンからステイサムへの代替わりは、肉弾戦シーンでステイサムに積極的に花を持たせていることからも明らかだ。イコやトニー・ジャーらアジアのガチアクション俳優の活躍も嬉しい。
ラストのオチは少々後味が悪いが、あくまで非現実的な娯楽映画だと思えば許せなくもない。ともかく、ステイサム主体となるであろう今後のシリーズ展開に大期待!
お正月”映画はじめ”にぴったり
北米では9月の公開でしたが、日本では新春1月5日に公開。R15指定作品ではありますが大変景気の良いアクション娯楽作品で、お正月の”映画はじめ”にぴったりな一本と言えます。本作から番手のトップがスタローンからステイサムに譲られ、若返りが図られています。ステイサムと悪役のイコ・ウワイス、隠し玉のトニー・ジャーと体術のキレは見応えたっぷりです。番手移譲や若返り、キャストの入れ替わりなど約10年ぶりの新作ということでいろいろと手が入りました。ただ、それでも見終わってみればエクスペンタブルズでしかないという感じです。