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ありふれた教室 (2022):映画短評

ありふれた教室 (2022)

2024年5月17日公開 99分

ありふれた教室
(C) if… Productions / ZDF / arte MMXXII
森 直人

学園版『由宇子の天秤』と言っても過言ではない

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

怒涛の悪夢的99分を体感させる「負の連鎖」型のジェットコースター・ムービー。主人公はギムナジウムの新任教師。自らの信念、あるいは正義感や倫理観に強くこだわる女性が、ほんの些細な判断ミスから事態をどんどん悪化させていく。イランのファルハディと良く比較される作風だが、説話構造は春本雄二郎監督の『由宇子の天秤』にさらに近い(共にベルリン国際映画祭パノラマ部門出品作との共通点も!)。

無駄のない語りを見せるチャタク監督の演出・設計力は圧巻。日本の教育現場にも共通する「無理ゲー」感をリアルに描き切った。同時により広い社会の縮図にも仕立てており、生徒による学校新聞の形でジャーナリズムにも触れている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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