ラウダー・ザン・ユー・シンク ギャリー・ヤングとペイヴメントの物語 (2023):映画短評
ラウダー・ザン・ユー・シンク ギャリー・ヤングとペイヴメントの物語 (2023)米ストックトン名物、ヘロヘロの偉人の素顔
昨年のSXSWで観客賞受賞。早く観たかったドキュメンタリーだが、もう泣き笑いの傑作。ペイヴメントのファンには説明不要、当時の“今どきの若者”集団の中で、ひとりだけヒッピー世代のオヤジだった初代ドラマー、G・ヤングの破格の肖像を描く。
飛び道具的な変人奇人のイメージばかり強いが、S・マルクマスの「ロックの王道的なものを彼は体現していた」との評言に納得。胸に迫るのはメンバー達からの愛情の深さだ。思えば脱退後の“Wowee Zowee”とのアルバムタイトルもギャリーの叫び声から取ったはず。ピンク・フロイドにおけるシド・バレットではないが、このバンド初期に輝いたカルトスターは歴史に永遠の名を刻んだ。
この短評にはネタバレを含んでいます