ベルサイユのばら (2025):映画短評
ベルサイユのばら (2025)今ならではの製作意図が明瞭で気持ちいい
コアなファンではないが原作は何となく知っていて、今ならどうアニメ映画化されるのかに興味を抱いて作品を拝見。すると、今回の製作意図が明らかで、その明瞭さが気持ちいい。予告編ではキャラクターデザインが原作と似ていて微妙に違うのが気になったが、本編を見ると、あえて原作そっくりにしなかったのは「原作にある要素を抽出しつつ、まったくのイコールではないものを創る」を目指したゆえの造形と納得がいく。
物語は、オスカルとアントワネット、2人の人間の意思と生きざまに焦点を当てる。ヴィジュアルは原作の意匠を踏まえつつ、さらに抽象的かつグラフィカルな映像にアレンジ。情感を歌で描くミュージカルでもある。
この短評にはネタバレを含んでいます