野生の島のロズ (2024):映画短評
野生の島のロズ (2024)ライター2人の平均評価: 4
日本人にこそ刺さるのでは?
アニメーションスタジオとしても30周年の迎えて大きな存在となったドリームワークス・アニメーションの最新作。スタジオジブリ的なデザインのロボットに心が宿るのか?という手塚治虫的な物語。世界的に大ヒットを記録していますが、日本人にこそ刺さるのではないかと思うアニメーションでした。名作『ヒックとドラゴン』のクリエイターの新作ということで期待値高めで見ましたが、余裕でそれを乗り越えて来てくれて嬉しい収穫でした。ほぼほぼ人間が出てこないのですが、動物たちのキャラクターが濃くて、実に人間臭くて良かったです。吹替版もお薦めです。
色鮮やかな大自然、ロボットの純粋さが胸を打つ
ロボットが主人公の物語は、なぜここまで胸を締めつけるのか。それは、仕事をプログラミングされただけの彼らには、邪悪さが微塵もなく、ひたすら純粋だからだろう。大自然の中、動物たちからさまざまなことを学んでいくロボットが、自分に組み込まれたプログラムに疑問を抱くようになる物語も素晴らしいが、同時に進行する、見下されていたものが、自分を認めさせるためではなく、ただ自分の素直な気持ちに沿って、自分を笑っていたものたちを助ける物語も胸を打つ。
その物語の背景に広がるのが、手描きで描かれた色鮮やかな大自然、植物、昆虫、動物たち。朝と夕、四季の移り変わりによって姿を変える情景は、大画面で体感したい。