ホワイトバード はじまりのワンダー (2024):映画短評
ホワイトバード はじまりのワンダー (2024)いじめた側の少年の心の傷も癒されていく
難病による外見せいでいじめを受ける10歳の少年オギーの奮闘を描く映画『ワンダー 君は太陽』の続編は、主人公のその後を描くのではなく、前作で主人公をいじめた少年を癒そうとする姿勢が胸を打つ。彼も心に傷を負っている。前作でも彼の両親に問題があることが描かれたが、彼は本作で祖母と出会い、その体験を聞きながら回復していく。
ユダヤ系の祖母が少女時代を過ごしたのは、ナチス占領下のフランス。小児麻痺の少年へのいじめという身近な出来事と、ユダヤ人迫害という大きな動きが、根本で繋がっている。少女が隠れて暮らす納屋で、小児麻痺の少年と一緒に空想する、今は行けない土地の風景の夢のような儚い美しさが魅了する。
この短評にはネタバレを含んでいます