最後の乗客 (2023):映画短評
最後の乗客 (2023)『侍タイ』の時代劇スターがタクシー運転手に!
タクシー運転手の身に起きる怪談のような語り口から、「で、どっちなん?」と思わせるミステリアスな展開を経て、ハートウォーミングなファンタジーへと着地。「東日本大震災を風化させてはいけない」と願う堀江貴監督の熱い想いが全編溢れており、ヒロインを宮城県出身の岩田華怜が演じているのも大きな肝だ。時代劇スターを演じた『侍タイムスリッパー』に続き、今度も冨家ノリマサがいい味を出しているが、こちらもいろんな意味で、覚悟を持って前に進む物語であり、観る人を選ばない“優しい”作品。大切な人を失ったことがあるなら、かなり胸に迫るものはあるが、ドラマとしては正直モノ足りなさが残る。
この短評にはネタバレを含んでいます