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スピーク・ノー・イーブル 異常な家族 (2024):映画短評

スピーク・ノー・イーブル 異常な家族 (2024)

2024年12月13日公開 110分

スピーク・ノー・イーブル 異常な家族
(C) 2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

なかざわひでゆき

終盤のハリウッド的改変は賛否の分かれ目かも

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 デンマーク産のトラウマ映画『胸騒ぎ』(’22)のハリウッド・リメイクである。バカンス先のイタリアで知り合った感じの良いイギリス人一家に誘われ、彼らの牧場で週末を過ごすことになったアメリカ人一家。手厚いおもてなしの背後に漂う怪しげな空気。やがて、背筋も凍る恐ろしい罠が頭をもたげる…。基本となるプロットは概ねオリジナルに忠実なのだが、大きく異なるのは終盤の展開。スリルとアクションが満載の勧善懲悪なハリウッド的改変は、オリジナルのどんよりとした後味の悪さを好むか好まないかで賛否が大きく分かれるだろう。こちらはスッキリ爽快!とりあえず、似て非なる別物として楽しむべし。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

思いきり暗いがオリジナルよりは多少救いを感じる

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

相当ねじれて暗い話。決して良い気分にしてくれる映画ではないことを、まず警告しておこう。それでも、オリジナルのデンマーク映画よりはまだ救いのあるエンディングになっている。悪い男のモチベーションがもっと明らかにされること、良い人たちのカップルが実は見えないところで問題を抱えているというところも、オリジナルとの違い。一見楽しくチャーミングだが、ふとした瞬間に危険さを見せるキャラクターを、ジェームズ・マカヴォイが名演。彼がこの微妙なバランスをとり続けることができたからこそ、成り立つ話だ。ストーリー上、重要な役割を果たす子供たちも含め、演技は全員とても良い。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

胸クソからエンタメ寄りに

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

胸クソホラー『胸騒ぎ』のハリウッドリメイクということで、『ザ・バニシング 消失』からの『失踪 妄想は究極の凶器』の失敗例を思い出すも、ジェイソン・ブラムの手にかかったことで、アレンジがちょっと面白いことになっている。主人公を覚醒させる楽曲がバングルス「胸いっぱいの愛」に、子どもたち相手の鬼レッスン楽曲が「コットンアイジョー」のカヴァーに、といった音楽面のほか、終盤では『ホーム・アローン』なバトルへと転調! 『スプリット』のさらなる人格現る!なジェームズ・マカヴォイのサイコパス芝居も想像以上で、想像通りエンタメ寄りになったリメイクとしては上々の仕上がり!

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

認知バイアスが恐ろしい

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 自分が信じたいものしか見ようとしない、自分に都合の悪いものは無視しようとする、という心理的なバイアスをモチーフにしたサスペンス。主人公は、旅先で出会った一家になんとなく違和感を感じるが、そんなことがあるはずがないと、自分の都合のいいように解釈する。そういう誰もが思い当たる認知バイアスが、恐ろしい事態を招く。真相が分かってからの脱出サスペンスも緊迫感大。主人公が出会う男を演じるジェームズ・マカヴォイが、いいヤツのようで、ふと別の一面を覗かせる人物像を巧みに演じている。

 デンマーク発の映画『胸騒ぎ』のリメイクだが、人物の背景描写やサスペンスの作り方がかなり違うので、見比べるのも面白い。

この短評にはネタバレを含んでいます
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