#彼女が死んだ (2024):映画短評
#彼女が死んだ (2024)SNSの暗部、さらにその奥へ
主人公のはつらつとした独白に導かれる冒頭こそ韓国製ラブコメのように軽妙だが、彼が女性の死体を見つけたことで物語は急展開。シリアスなミステリーへと観る者を導く。
真相を追ううちに罠にはまっていく主人公の苦境はもちろんスリリング。背景にあるSNSの闇も興味深く、その底無し感に戦慄を覚えざるをえない。
これがデビュー作となる監督のキム・セフィは30代。インターネットが当たり前のようにある時代のリアルを冷徹に検証しながら、ミステリーを緻密に組み立てた。中盤でナレーションのヌシが変わる構造や、役者たちの熱演にも目を見張るものがある。
この短評にはネタバレを含んでいます