ストップモーション (2023):映画短評
ストップモーション (2023)ストップモーション・アニメには奇妙な力が宿っている
動かないものを動かす、ストップモーション・アニメというものに宿る奇妙な力についての物語と、両者ともストップモーション・アニメのクリエイターである母と娘の支配/被支配の物語、この2つの物語が交錯して、悪夢のような事態が出現する。2人がストップモーション・アニメを製作する姿を見ていると、この手法に没頭する人が、どこかある枠から外れた特殊な感覚を持ってしまっても無理はない気がしてくる。
物質自体の持つ力の描写も強烈。人間の身体を構成する肉と、アニメの人形を形成する蝋が、交換可能なものと化し、蝋の窪みが眼になっていく時、蝋の表面に血液が染み出していくさまから触感と匂いが伝わってくる。
この短評にはネタバレを含んでいます