ノスフェラトゥ (2024):映画短評
ノスフェラトゥ (2024)
美術品のような世界で、俳優たちのリミッター超え演技に震える
オリジナルへのリスペクトも感じる、漆黒の闇と、ロウソクのごとく淡い灯が作り出すレンブラント絵画的人物の陰影で、その世界に吸い込まれる異様な感覚。それがラストまで続く。荘厳なサウンドも含め映画館で体験すべき一作。
ショック描写、19世紀ヨーロッパの不気味さの配分も的確。一部わかりづらいシーンも、謎を高めるうえで意図的か。
吸血鬼役のビル・スカルスガルドは『IT/イット〜』のペニーワーズ役も上回る戦慄を誘い、声だけでも鳥肌が立つレベル。さらにリリー=ローズ・デップの白目を剥き、ありえない体勢で身をよじらせる演技は、「エクソシスト」映画の歴史でも最強インパクト。もはや大スターの娘という形容は不要だ。
この短評にはネタバレを含んでいます