GW映画特集2022~劇場洋画編~
ゴールデンウィークは映画で旅をしてみよう! ファンタジックで非現実的な世界観を体験できる人気シリーズや、フランスのパリやスウェーデンの島、アメリカのニューヨークなどの街や文化に触れることができる作品をご紹介します。(文・岩永めぐみ)
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『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』公開中
監督:デヴィッド・イェーツ
キャスト:エディ・レッドメイン、ジュード・ロウ
143分
『ファンタスティック・ビースト』シリーズ第3弾では、『ハリー・ポッター』シリーズ以来、多くの人が気になっていたであろうダンブルドアの若き日に迫る。“黒い魔法使い”グリンデルバルドが企てる、魔法族がマグル(人間)を支配する世界を作る計画を阻止すべく、魔法動物学者のニュートと仲間たちが闘いに挑む。ダンブルドアとグリンデルバルドの間に漂う緊迫感は、呼吸を忘れそうになるほど。さらには、さまざまな国の幻想的な風景を取り入れた世界観や、“キリン”をはじめとする愛くるしい魔法動物なども見どころ。
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『パリ13区』公開中
監督・脚本:ジャック・オーディアール
キャスト:ルーシー・チャン、マキタ・サンバ
105分
『預言者』や『ディーパンの闘い』などのジャック・オーディアール監督が、フランス・パリに暮らす30歳前後の男女の孤独や不安、愛やセックスを描いたドラマ。脚本に『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督、アルノー・デプレシャン監督作品などに参加するレア・ミシューの2人の女性シネアストを招き入れ、オーディアール監督を含む3人の共同で完成させた。人種や職業の異なる3人の女性と1人の男性のさりげないやり取りを通し、心の内をあぶり出していく。ビルが建ち並ぶパリの一角をとらえたモノクロの映像も、写真集の1ページのように美しい。
『カモン カモン』公開中
監督・脚本:マイク・ミルズ
キャスト:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン
108分
ホアキン・フェニックスが『ジョーカー』から一転、9歳の甥を預かる心優しき主人公を演じたアットホームなヒューマンドラマ。ニューヨークでラジオジャーナリストとして子供たちへのインタビュー行うことを生業にしている中年男性が、妹の頼みでしばらくのあいだ甥と二人で生活することに。監督は『人生はビギナーズ』や『20センチュリー・ウーマン』などのマイク・ミルズ。好奇心旺盛で無邪気な甥とそんな甥に振り回される主人公が、しだいに絆を深めていく様子に心ほだされる。
『ベルイマン島にて』公開中
監督:ミア・ハンセン=ラブ
キャスト:ヴィッキー・クリープス、ティム・ロス
113分
『あの夏の子供たち』や『未来よ こんにちは』などのミア・ハンセン=ラブ監督が、スウェーデンの世界的映画監督イングマール・ベルイマン監督が暮らした島を舞台に描いた大人の物語。一方は成功し、一方はようやく認められたばかりという映画人のカップルが、創作活動のために島を訪れる。『海の上のピアニスト』などのティム・ロスと『ファントム・スレッド』などのヴィッキー・クリープスがカップルにふんし、ミア・ワシコウスカとアンデルシュ・ダニエルセン・リーが共演。旅情を誘う風光明媚な島で展開される、美しくてほろ苦い物語に魅了される。
『マリー・ミー』公開中
監督:カット・コイロ
キャスト:ジェニファー・ロペス、オーウェン・ウィルソン
112分
ジェニファー・ロペスが本人をほうふつとさせる世界的歌姫を演じるロマンティックコメディー。婚約者の浮気を知ったヒロインが、コンサートのステージから勢いあまって客席にいた見知らぬ男性にプロポーズする。相手役となる平凡な数学教師を演じるのは、『ワンダー 君は太陽』などのオーウェン・ウィルソン。婚約者役に、マドンナとコラボレーションした楽曲「メデジン」で知られるラテンポップ界のスター、マルーマがふんする。ジェニロペやマルーマが繰り広げる華やかで濃厚なステージや、胸がキュンとするハッピーなストーリーを満喫できる。
『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版』公開中
監督・脚本:ラドゥ・ジューデ
キャスト:カーチャ・パスカリュー、クラウディア・イェレミア
106分
世界的なパンデミックを背景に、夫とのプライベートセックスがインターネットに流出してしまった教師の顛末を描き、ベルリン国際映画祭の最高賞にあたる金熊賞に輝いた衝撃作。校長や生徒の保護者に説明を求められた名門校の女性教師が、感染症の流行で疲弊した街を奔走する。監督を務めたのは、この10数年来、国際映画祭を席巻する「ルーマニア・ニューウェーヴ」の中心人物のひとりであるラドゥ・ジューデ。性をテーマにした過激な野心作でもあり、皮肉たっぷりな社会派の作品でもあり、ジェットコースターのような予測できない展開も痛快な傑作。
『不都合な理想の夫婦』4月29日公開
監督・脚本:ショーン・ダーキン
キャスト:ジュード・ロウ、キャリー・クーン
107分
『ファンタスティック・ビースト』シリーズのジュード・ロウが、虚栄心が強く傲慢な夫を演じる心理スリラー。待遇のいい仕事への転職を機に、豪邸を手に入れ、子供を名門校に通わせ、誰もがうらやむような成功を掴んだ主人公。しかし、妻は夫の金銭感覚やとどまるところのない野心に疑念を抱く。『マーサ、あるいはマーシー・メイ』などのショーン・ダーキン監督がメガホンを取り、ドラマシリーズ「FARGO/ファーゴ3」のキャリー・クーンが共演する。ジュードとキャリーが演じる夫婦の緊迫したバトルに心がヒリヒリする。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』5月4日公開
監督:サム・ライミ
キャスト:ベネディクト・カンバーバッチ、エリザベス・オルセン
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のスーパーヒーローの一人「ドクター・ストレンジ」をメインにしたシリーズ第2弾。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも危険性を知らしめた“マルチバース”。今回、天才外科医にして最強の魔術師でもあるドクター・ストレンジが、その扉を開けてしまったことにより、人類の危機が訪れる。主演はベネディクト・カンバーバッチが続投し、スカーレット・ウィッチ役のエリザベス・オルセンらが共演。『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミ監督が生み出す世界観にも期待が高まる。
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『オードリー・ヘプバーン』5月6日公開
監督:ヘレナ・コーン
キャスト:オードリー・ヘプバーン、ショーン・ヘプバーン・ファーラー
100分
女優で人道活動家のオードリー・ヘプバーンを、アーカイブ映像や関係者へのインタビューからひもとくドキュメンタリー。『ローマの休日』や『ティファニーで朝食を』など数々の名作に出演してきたオードリーが、ハリウッドの巨匠たちとの撮影現場での思い出や、子供時代のナチス占領下のオランダでの暮らし、家庭への特別な憧れなどを語るとともに、家族や近しい人たちが知るオードリーの素顔が披露される。可憐な美しさや洗練されたファッションは、今見ても古さを感じさせず、彼女の魅力が永遠のものであることを感じさせられる。
『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』5月6日公開
監督・脚本:フィリップ・ファラルドー
キャスト:マーガレット・クアリー、シガーニー・ウィーヴァー
101分
「ライ麦畑でつかまえて」などのJ.D.サリンジャーの担当エージェントの元で働いていた、作家志望の新人アシスタントの実話を基にしたヒューマンドラマ。サリンジャーへのファンレターに返事を書くことになったヒロインが、定型文の返事を書くことに抵抗し、自分で返事を書くようになる。原作はジョアンナ・ラコフの回想録「サリンジャーと過ごした日々」。『ぼくたちのムッシュ・ラザール』などのフィリップ・ファラルドーが監督を務める。夢と現実の間でもがきながらも、自分を信じて行動するヒロインに刺激を受ける。