ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 (2023):映画短評
ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 (2023)ライター3人の平均評価: 3
見せ場は少なくてもジョニーはさすがにジョニー
主人公は、ソフィア・コッポラ監督の「マリー・アントワネット」でアーシア・アルジェントが演じたキャラクター。彼女の人生はドラマチックで、映画にする価値あり。しかし、多くの観客が本音で一番興味を持つのは、ルイ15世役でジョニー・デップが登場することだろう。発音のレベルがどうなのか、フランス語を喋らない筆者には判断がつかないが、せりふは少なめとはいえ結構あって頑張っている。基本的に脇役なので、演技力の見せ場があまりないのは残念ながら、マイウェンは、デップがイギリスの裁判で負けた後でも「あなたなしでこの映画は作れない」と言ったそう。その期待に応じ、彼はたしかな存在感を放っている。
ジャンヌ・デゥ・バリュー入門編
ポンパドゥール夫人とマリー・アントワネットという大きな存在に挟まれて日本ではちょっと知名度が低いジャンヌ・デゥ・バリューですが、二人に負けないほど波瀾万丈な人生の持ち主だったことがわかる一本。全編フランス語で展開、フランス在住歴もあるジョニー・デップもきっちりフランス語です。もっとジャンヌという女性の逞しさ、賢さが見れても良かったのかもしれませんが、ルイ15世役にジョニー・デップを据えることができたのでちょっと物語の比重が変わってしまったのかなとも思います。ただ、入門編としてはこれで良いかとも思いました。
ルイ15世のヴェルサイユ宮廷が豪華絢爛
フランス革命が起きる前、ルイ15世のヴェルサイユの宮廷生活の絢爛豪華な光景に魅了される。いい意味で、昔の少女雑誌の口絵イラストのお姫様の世界のような、いかにも宮廷らしい古典的情景は、実際にヴェルサイユ宮殿でも撮影されたとのこと。
女性監督が自らが演じて王の愛妾を描くと聞くと、この頃よくある女性の権利を主張する作品かと先入観を抱いてしまうがそんなことはなく、ある時代に波乱万丈な人生を生きた一人の女性の物語が描かれる。
ルイ15世を演じるジョニー・デップに、この俳優はやはり現実離れした人間役が似合うと痛感。病のため変貌した姿がより似合うと感じさせるところもこの俳優らしい。