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カラーパープル (2023):映画短評

カラーパープル (2023)

2024年2月9日公開 141分

カラーパープル
(C) 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.3

猿渡 由紀

ぜひビッグスクリーンで体験したい映画

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

小説がスピルバーグの映画に、それがブロードウェイミュージカルになって再びミュージカル映画化されたこの作品は、また作られた価値十分あり。ブロードウェイ版に出演したファンテイジア・バリーノ(これが映画デビュー作)、ダニエル・ブルックス(この役でオスカー候補入り)はもちろんのこと、タラジ・P・ハンセンも見事な歌声を披露し、圧倒する。ファンタジーの要素などもうまくミックスしたミュージカルナンバーのデザイン、コレオグラフィーもすばらしい。非常に重く、暗い状況をしっかり描きつつも、許すこと、女性同士で支え合うことというテーマが、希望を感じさせてもくれる。ぜひともビッグスクリーンで体験したい映画。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

もっと長くても良い!

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

昨今映画の上映時間が長くなっている風潮があって、それはそれでちょっとどうなのだろうと、120分に納めるというのも一つの才能なのではないかとも思ったりしています。ところが、今回141分あった『カラーパープル』に関してはもっと長くても良かった気がするほど、あっという間に映画が進んでいきます。なかなか描かれない黒人を支配し抑圧する黒人の姿というものをしっかりと描いていて非常に力強い映画になっていました。映画の製作陣が名前を連ねていますが、実際にはブロードウェイミュージカルの映画化で、キャストもそこからの続投組も多く安定感抜群です。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

ミュージカルとなったことで、むしろ感動の度合いは上がった

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

38年前のスピルバーグ監督作とストーリーの基本は同じながら、切実でヘビーな描写と、音楽&ダンスが創る高揚感と軽やかさが、映画らしい最高に美しいバランスを形成。思いどおりにいかない人生にも光が射し、意を決して立ち上がる流れが、ミュージカルによってむしろ真っ直ぐ伝わってきて驚いた。振付や編集も変に気を衒わず、このジャンルのお手本のようで、有無を言わさずテンション上げる。
キャスト陣は総じて渾身の演技と歌唱力を披露。主人公セリーが覚悟を決める瞬間、ソフィアの圧倒的な貫禄と悲劇のコントラスト、『リトル・マーメイド』のハリー・ベリーによる至高の歌声…と、あちこちに本能が揺さぶられるシーンを用意。大傑作!

この短評にはネタバレを含んでいます
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