スペースマン (2024):映画短評
スペースマン (2024)ちょっと“考えすぎ”な作りも、奇抜な瞬間におののく…
遠い宇宙空間で「ただ一人」の主人公という設定は『ソラリス』『月に囚われた男』からの既視感もありつつ、何度観てもその孤独に「自分だったら」と心が吸引される。本作では地球との交信、大企業のバックアップなどテクノロジーも主人公の運命を左右し、観ていて飽きることはない。
ある程度ストーリーが進むと衝撃の展開が待ち受けるのは予想どおり。しかし本作はビジュアル的インパクトが絶大。そして衝撃の後のエモーショナルな流れに加え、主人公の記憶や未来、内なる世界とのリンクはヴィルヌーヴの大傑作『メッセージ』を重ねたくなったりも。けっこう哲学的テーマを帯びてるようで、そのアプローチに作り手の迷いが伝わるのがやや残念。
この短評にはネタバレを含んでいます