ADVERTISEMENT

アルプススタンドのはしの方 (2020):映画短評

アルプススタンドのはしの方 (2020)

2020年7月24日公開 75分

アルプススタンドのはしの方
(C) 2020「アルプススタンドのはしの方」製作委員会

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

轟 夕起夫

「感情が動かされる」こと。それを感動と呼ぶ

轟 夕起夫 評価: ★★★★★ ★★★★★

完成度の高い舞台劇をいかに映画にするか。常に画面の中に、登場人物の感情のさざ波状態をつくるのだ。すると見えない野球の試合が、映らないあれやこれやが、奇跡的に目の前に見えてくる。

人の動作には必ずワケがある。この映画はそれを示すことを徹底している。そして、ここぞという場面で野球場の傾斜が生み出す、胸熱な視線のやりとり! 城定監督の演出、編集の巧みさ、役者陣の好演と空気感をも立ち昇らせる音響(さすがの山本タカアキ仕事)で、さざ波はビッグウェーブに。観客の想像力を刺激しまくる豊潤な75分間!

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

『のぼる小寺さん』に続く、青春“ガンバレ”映画

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

ルールも分からない演劇部員と理由あって辞めた野球部員。そこにメガネっ子の帰宅部が加わり、舞台が“はしの方”から中央に広がっていくことで、スクールカーストなどが浮かび上がってくる人間模様がアツい。彼らが一生懸命見ることで、熱を帯びていく様など、『のぼる小寺さん』に続く、20年を代表する青春“ガンバレ”映画といえる。予算の都合上、甲子園でなく、どこか地区予選に見えてしまうことが惜しまれるが、高校演劇発の脚本は完璧に近く、城定秀夫監督による職人技も随所に光る。また、「中学聖日記」のるなち&淳紀だけでなく、“高校5年生”の黒木ひかりが完璧な優等生役を演じるキャスティングも興味深い。

この短評にはネタバレを含んでいます
ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT