レスキュー (2020):映画短評
レスキュー (2020)ライター2人の平均評価: 3
ダンテ・ラム監督作としてはモノ足りない!
海難救助隊の活躍劇だけに、予想通り『海猿』×『コード・ブルー』だが、隊長と新任の女性機長との恋バナや、引き離されるカップルのエピソードは、まんま『トップガン』というベタさというか、脚本がペラペラ。ヘヴィでハードすぎたダンテ・ラム監督の近作2作に比べ、プロパガンダ色は薄まったものの、隊長の一人息子がキーワードになっていることもあって、モノ足りなさは否めず。何気ないモンタージュでベン・E・キング「スタンド・バイ・ミー」を流したり、ハリウッドから大物を招聘してバリバリCGを使ったりと、とにかく予算だけはかかっているが、おなじみのドS演出に関しても、どこか控えめに見えてしまう。
救命最前線で戦う名も無きヒーローに拍手!
海難レスキュー隊員の熱量が伝わる熱血アクションで、『海猿』中国版かな。監督の無茶な要求にも全力で応えるE・ポンと彼に男惚れしたD・ラム監督の4度目のタッグであり、燃え上がるオイルリグや沈没寸前の飛行機といった過酷極まりない状況での救命ミッションが描かれる。撮影はハードで、海で溺れかけたり、聴覚に異常をきたした役者もいたというのも納得のド派手なアクションが展開される。またホロリとさせる父子ドラマも描かれていて、熱血漢の主人公ガオ・チェンが感じる任務への恐怖が伝わる。コロナ禍で人命救助に尽力する医療従事者に対しても同様だが、救命最前線で戦う名も無きヒーローへの感謝を実感する。