リバー・ランズ・スルー・イット (1992):映画短評
リバー・ランズ・スルー・イット (1992)川面の光に映えるブラピのイケメンっぷりは異常事態
「カインとアベル」「エデンの東」など、対照的な兄弟を描いた名作はどこか神話的な輝きを放つ。今作もその法則をクリア。堅実で内向的な兄と自由で活発な弟と、よくあるパターンだが、回想形式で進むことで、予感される事件にも神々しさが与えられ、川の流れと人生を重ねたタイトルも心に深くしみる。兄弟の心がひとつになるフライフィッシングでは、時間も止まった尋常ではない美しさが支配。まさに、無の境地。監督レッドフォードの「この物語を撮りたい」思いが宿った。
大自然で釣りをするブラピの姿が多くの人に記憶にやきついたが、改めて観ると無鉄砲でナイフのような危険な面も際立ち、現在に至る俳優の魅力、その原点を再認識。
この短評にはネタバレを含んでいます