ウィズネイルと僕 (1987):映画短評
ウィズネイルと僕 (1987)時代への挽歌と、青い影
冒頭に流れるキング・カーティスの「青い影」(プロコル・ハルムのカヴァー)で早くも胸が熱くなる。87年製作のイギリス映画で、日本では91年の公開以来、ソフト化もされず長らく放置されてきた傑作。今回のリバイバルで絶対観ておいた方がいい。
内容は売れない役者ふたりのモラトリアムな日々のスケッチ。主題を一言でいうと「時代への挽歌」。青春への別れと、舞台となる60年代=カウンター文化の季節の終わり。残念ながらまもなく閉館となる吉祥寺バウスシアターのクロージングとして、これほど最適なチョイスはない。涙。
雨の日の名ラストシーンを観れば、ジョニデがなぜこの映画をこよなく愛するのか、よくわかるように思う。
この短評にはネタバレを含んでいます