地球に落ちて来た男 (1976):映画短評
地球に落ちて来た男 (1976)デヴィッド・ボウイ主演のカルト映画がリバイバル公開!
水資源を求めて地球へやって来たピュアで繊細なエイリアンが、現代社会に蔓延する資本主義や物質主義に振り回され、やがて故郷の惑星へ戻ることが出来なくなってしまう。ビジュアリストたるニコラス・ローグ監督のシュールで洗練された映像美もさることながら、彼にしては珍しく社会派的な色合いの強い作品であり、来るべき多国籍大企業支配の時代を予見したかのような展開が今見ると非常に面白い。
もちろん、エイリアン役を演じるデヴィッド・ボウイの、時代も性別も超越したカリスマ性と美貌もまるで古びていない。彼以外にあり得ないハマリ役。どんどん俗物化していく素朴な田舎娘にキャンディ・クラークという配役も絶妙だ。
この短評にはネタバレを含んでいます