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デッドプール (2016):映画短評

デッドプール (2016)

2016年6月1日公開 108分

デッドプール
(C) 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.8

清水 節

飽和状態のスーパーヒーロー映画に欠けていた残忍・爆笑・純情!

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ひっきりなしに現れるスーパーヒーロー映画で、映画館の空気は「トラウマに押し潰されそうな鬱屈」や「世界の苦悩を一身に背負う決意」で重苦しくなっていくばかり。しかめっ面の飽和状態に疲れていた矢先、【軽み】と容赦ない【エログロ】と純情な【ラブストーリー】の融合は、何ものにも代え難い。イノセンスゆえに残忍、下ネタで覆い隠すピュアな心、笑いながら泣かせる超絶技巧。この異端で異形のヒーローこそ、今のシネコンに最も欠けていたもの。いや、コンプライアンスがちがちで萎縮しまくるテレビも、ブラウン管が見世物だった頃の活気を取り戻すため、本作の爪の垢を煎じて飲むべきだ。世界にはデッドプールが足りなすぎる!

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

俺ちゃんはある朝突然に

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『アントマン』どころじゃないブッ飛んだ俺ちゃんのキャラだけでなく、スタン・リーのカメオもお下劣キャラだったりと、『変態仮面』にも近い全編潔いほど悪ノリのオンパレードに圧倒。しかも、マーベルからボルトロン、「フォルティタワーズ」『フェリスはある朝突然に』に至るまで、明らかにアラフォー向けな小ネタのブッ込み方がハンパない。まさに肉弾戦なコロッサスVSジーナ・カラーノ戦など、おなじみロバート・アロンゾ仕込みのアクションも見どころ満載。なのに、冗談じゃないぐらいワム!やシカゴの楽曲が彩る、泣けるほどの純愛ラブストーリーに仕上がっている恐ろしさ。劇中の俺ちゃんじゃないが、四度見してしまいそうだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

過激にチャーミングなアメコミ映画の突破口

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 “バカ映画の始まりです”という冒頭のテロップ、正義のために戦わないヒーロー像、下ネタ満載のギャグ、激しいバイオレンス。従来のお行儀のいいアメコミ・ヒーロー映画の枠組を超えていることこそ本作の注目点。

 すべてはデッドプールという主人公をチャーミングに見せるうえで機能する。ハローキティのバッグに銃を詰めてタクシーで出動し、運転手の恋の悩みの相談に乗るのだから、無責任キャラとはいえ嫌いになれるはずがない。

 アメコミ原作映画はマンネリ化も囁かれていたが、その多様性を広げる起爆剤となりそうな逸品。こういう型破りなR指定映画が業界最王手のマーベルで作られ、世界的にヒットした意味は極めて大きい。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

ノー天気な上にエロい、型破りなヒーロー万歳

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

両親殺害を目撃したバットマンや自社開発の兵器が人命を奪うことに衝撃を受けたアイアンマンなどなど、ヒーローのトラウマって面倒くさい。そう思っていた身なので、ヒーロー像を破壊するデップーの活躍に胸スッキリ! モラルにもルールにも縛られない身勝手さがいっそ清々しい彼は、戦闘に向かうのにタクシーを利用したかと思ったら、運転手相手にしゃべくりまくり、あげくの果てには武器を忘れてきたことに気づく。ノー天気のきわみだが、演じるライアン・レイノルズの痛快ジョークがガソリンとなって、物語が加速する。テンポは軽快だし、アクションもハードコア。悪役がやや弱いが、シリーズ化決定なので続編に期待したい。

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平沢 薫

オープニングからいきなりヤラレる!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 痛快! オープニングの、普通は出演者名が表記されるところがもうスーパーヒーロー映画へのツッコミになってて、そのノリで最後まで暴走。しょーもない下ネタと、健全な批判精神が並立してるところもナイス。製作経緯がまた痛快。主演&製作のライアン・レイノルズは以前からこのアメコミ界でも異色のキレ・キャラが大好きで、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」でこのキャラを演じたのに、あの映画ではこのキャラらしさがないのが不満でこのキャラの主演映画を企画。まだ長編映画監督は未経験のティム・ミラー監督と組んで、自分が演じたいように演じたら、なんと驚異の全米大ヒット作に。レイノルズの自分へのツッコミにも爆笑。

この短評にはネタバレを含んでいます
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