ラブ・アゲイン (2011):映画短評
ラブ・アゲイン (2011)ものぐるほしく、をこがましきは恋なりけり。
ラブコメというジャンルが基本的に、色恋という人間の性(サガ)を嗤いつつも慈しみ愛でるものとすれば、これほどの作品はそう現れるもんじゃない。主要な登場人物は10代~40代の男女9人、このアンサンブル・キャストが実に精妙。「クレイジーで馬鹿げた愛」に身悶える、愚かしくも誠実な“恋の奴隷”たちに等しく愛を注いでいるのがひしひしと感じとれる演出・脚本が最高。キャメラワークも的確かつセンス抜群。相当にグラフィックであるうえ、台詞以前に画だけで笑えるという芸当を見せてくれるのだ。ことにキャレル+ムーア+トメイの保護者面談と、『ラ・ラ・ランド』に先駆けるストーン+ゴスリングの初めての夜のシークェンスは絶妙!
この短評にはネタバレを含んでいます