blur:To The End/ブラー:トゥー・ジ・エンド (2024):映画短評
blur:To The End/ブラー:トゥー・ジ・エンド (2024)老いぼれが大きなステージに立つ姿は、笑えるだろ?
活動再開の度にドキュメンタリーが作られ、新譜に負けず劣らず良質の作品を放っている英国の“愛されバンド”ブラー。今回も見応えは十分だ。
前作『ブラー:ニュー・ワールド・タワーズ』が中年期の祝祭を見つめた作品であるなら、本作は初老のそれ。膝は痛む。疲労は溜まる。リハ中に寝落ちする。そんな身体事情を赤裸々にさらしつつ、なお大きなステージを目指していく姿は、衰えてもクリエイティビティ旺盛なフロントマン、D・アルバーンの姿勢とともに鮮烈な印象を残す。
同時公開のコンサート映画をこの後に観れば、それはより感慨も深いものとなる。“トゥー・ジ・エンド”が意味するものを噛みしめつつ、ふれて欲しい。
この短評にはネタバレを含んでいます