ローマでアモーレ (2012):映画短評
ローマでアモーレ (2012)往年のイタリア映画を彷彿とさせる大らかさ
ロンドン、バルセロナ、パリと、ヨーロッパ各地を巡ってきたウディ・アレンが今回の舞台に選んだのはローマ。4つの異なる物語を同時進行させつつ、恋愛と音楽と美食の都であるローマの魅力がふんだんに描かれていく。しかし、あまりにも色々な要素を詰め込んでしまったため散漫な印象は拭えず、ただの観光映画になってしまった感あり。傑作「ミッドナイト・イン・パリ」の後だけに、ついつい期待値が高くなってしまったせいだろうか。とはいえ、デ・シーカやディノ・リージなどが得意とした往年のイタリア産艶笑映画を彷彿とさせる大らかさ、充実した豪華キャストの共演などは魅力。大女優オルネラ・ムーティの登場も嬉しいし、イタリアの懐メロヒット“Amada mia, Amore mio“のメロディも楽しい。
この短評にはネタバレを含んでいます