TOKYO TRIBE (2014):映画短評
TOKYO TRIBE (2014)ライター2人の平均評価: 3.5
今さら? いや、今だからの映画化
原作が盛り上がってたと同時に、石井隆がZEEBRA主演で『TOKYO G.P.』を撮り、K DUB SHINEが『狂気の桜』に参加した十数年前に実現してたら…という“今さら感”は否定できない。とはいえ、ここまで海に似た存在感を持つYOUNG DAIS、ここまで動きまくるスンミと化した清野菜名という逸材の登場。そして、園子温のブレイクを待ってたと考えれば、“今だからこそ感”バリバリ。『TOKYO G.P.』が失敗した“日本版『ウォリアーズ』”な仕上がりもうれしい。ラップ台詞やB級感漂ういかがわしさ、そして竹内力の暴走(!)に、最初は戸惑うかもしれないが、これはもうノッたもん勝ちの祭りだ。
セリフはラップじゃなくてもよかったのでは
コミック原作とはいえ、全編これ園子温らしいバッドテイストなB級感というかC級感(?)が炸裂する無国籍アクション。
近未来のトーキョーを仕切るトライブたちの抗争って、要はヤクザ同士の縄張り争い。で、トーキョーの独占支配を目論む陰謀に彼らが一致団結して立ち向かう様を、エログロナンセンスてんこ盛りで描く。竹内力のコテコテな怪演、お色気要員以外の何ものでもない叶美香など、期待通りというか予想通りというか(笑)。ショボすぎるVFXも味といえば味だ。
しかし、セリフを全てラップにしたのは正直微妙。日本語がリズムに乗り切れていないし、そもそもアジア人の細い声でラップされてもイマイチ迫力ないし。