エヴァの告白 (2013):映画短評
エヴァの告白 (2013)M・コティヤールの魅力が光る古典的な王道メロドラマ
戦火の欧州を逃れて渡米したポーランド系移民の女性が、過酷な現実に翻弄され転落の道を歩んでいく。貧困ゆえに体を売らねばならない女たち、そんな彼女らを守りながらも搾取する女衒、そしてヒロインに救いの手を差し出す夢想家の優男。設定も登場人物も極めて古風な映画だ。
作風としてはデュヴィヴィエやカルネ。いわゆる詩的リアリズムと呼ばれた時代のフランス映画を彷彿とさせる。そういう意味でも、主演のマリオン・コティヤールは最適な人選だ。彼女のクラシカルな魅力が作品を大いに牽引する。東欧のガルボとも呼ばれた旧ソ連の名女優エレナ・ソロヴェイも登場。今時珍しい古典的な王道メロドラマの味わいを堪能したい。
この短評にはネタバレを含んでいます