ラブバトル (2013):映画短評
ラブバトル (2013)愛とは抜き差しならぬ戦いだ!?
家族への満たされぬ思いを抱え、愛情に飢えた若い女が、その不満や怒りを年上の男にぶつける。それも、殴る蹴るの暴力で…ってところに面食らう観客は少なくないかもしれない。
感情に任せて飛びかかる女。筋骨隆々の男は拳ひとつで女をKOしてもおかしくなさそうだが、しかし彼女の動きを牽制しつつも受け身に徹しようとする。それは抜き差しならぬ肉弾戦。なので、全裸の泥レスシーンもエロさは皆無でひたすら壮絶だ。
71歳になる名匠ジャック・ドワイヨンは、孤独な男女の野獣的な一騎打ちを、傷ついた魂を解放するためのセラピー的な儀式として描く。多分に寓話的ではあるが、しかし究極的な恋愛の本質は捉えているように思う。
この短評にはネタバレを含んでいます